蒸気機関区レイアウトの作り方

蒸気機関車の所属していたような機関区を鉄道模型で作る場合、どんな事を注意して作ったら良いのかを一般的な文献資料を参考にご紹介します。 (とりあえず、Nゲージを基礎として説明していきますので16番の場合は2倍程度に換算していただけると幸いです。)

◎機関庫を作る場合、まず規模をどうするかによってボードのサイズが決まります。
 ボードサイズと機関車庫の規模で大まかなイメージを作ってみましょう。

 機関支区以下はPECOの転車台を使う前提でボードサイズを決定しています。
 それ以上のボードでもTOMIXの転車台場合分岐が大きく扇形庫の個数が多く取れません。
 また、KATOの転車台は分岐が小さい上、ヘルヤン扇形庫が非常に場所をとるので計算上のサイズで収まらないかもしれません。


一般的な機関区施設図
一般的な中規模以上の機関庫の配置です。ただし、位置関係は区によって違います。ここのサイトでお好みの機関区をお探しください。その上で下記の機関区規模表の中から必要なものを選び出して配置すれば良いとおもいます。
給炭水施設、事務所、車庫、アッシュピットと灰置場、機関紙の厚生施設があれば後は規模に合わせるだけです。



機関区施設の分類目安

機関区はその地域の用件に合わせて規模が決まりますが、一般的に必要な物は決まっています。レイアウトを作るときの参考として実物とイメージをつなげ、レイアウト作りの
参考にするための表です。あくまで目安ですので実際の機関区の施設と違う場合がありますがご了承ください。
特に実物のための研究資料としては使えませんのでご了承ください。
注意点
・扇形庫と矩形庫を同列のあつかいで使用する機関区はほとんどありません。両方持つ機関区の矩形庫は、一般的に電車、気動車、客車の庫です。
・給炭水施設は入出庫線にあります。梅小路蒸気機関車館のように転車台枝線に配置することはありません。
・機関区としての保有車両数をイメージしてから機関区の規模を決めることをお勧めします。また、所有機関車全てを所属に押し込む必要もありません。
・給砂塔のない区ではバケツで砂を入れています。
・施設は開業年代、拡張の歴史によって形態が変化します。下からあった施設と追加して行った施設をイメージしつつ設置すればリアルさが増します。
 例えば給炭塔は元々給炭台があったところに省力化で設置されたはずです。扇形庫も必要としない小さな機関庫から始まったのかもしれません。
 よくイメージして作ると楽しく魅力的な機関区になると思います。
規模
扇形庫(収容数) 矩形庫(収容数) 給炭 給砂 一般的施設 目安ボードサイズ 実物例
駐泊所 無し 無し 給炭台 無し 給水塔(スポート)、事務所兼休憩所(駅舎兼用あり) 300×200 柘植、鳥羽、草津
無し 有り(1両以上) 給炭台 無し 給水塔(スポート)、アッシュピット(小型)
事務所兼休憩所(駅舎又は車庫兼用あり)
450×200 伊勢奥津
機関支区 無し 有り(2両以上) 給炭台 無し 給水塔(スポート)、支区事務所、アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫
600×200 多気
小規模機関区 無し 有り(3両以上) 給炭台 無し 給水塔(スポート)、区事務所、アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
600×300 伊勢
有り(3両以上
3〜6線
無し 給炭台 無し 給水塔(スポート)、区事務所、アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
600×300から
750×450
佐倉(給炭ジブクレーン)
遠江二俣(2両分矩形庫が扇形庫併設
中規模機関区 無し 有り(6両以上) 給炭台 無し 給水塔(スポート)、区事務所、アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
600×450 新庄、山形、米沢、木次、志布志
有り(入庫分)
6線〜10線
無し 給炭台 無し 給水塔(スポート)、区事務所、アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
900×600 津山、新見、津和野、豊後森
有り(入庫分)
3線〜10線
有り(2両以上)
気動車庫兼用
給炭台 無し 給水塔(スポート)、区事務所、アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
1200×600 新宮
無し 有り(9両以上) 給炭搭
ガントリー
有り 給水塔(スポート)、区事務所、大型アッシュピット、休憩所
風呂、倉庫、トイレ
600×450
有り(入庫分)
6線〜10線
無し 給炭搭
ガントリー
有り 給水塔(スポート)、区事務所、大型アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
900×600 美濃太田(単槽給炭塔)糸崎
有り(入庫分)
6線〜10線
有り(2両以上)
気動車庫兼用
給炭搭
ガントリー
有り 給水塔(スポート)、区事務所、大型アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
1200×600 鳥栖(九州バケット給炭塔)
大規模機関区 無し 有り(9両以上)
別で研修庫3両以上
給炭搭
ガントリー
有り 給水塔(スポート)、区事務所、大型アッシュピット、休憩所、
風呂、倉庫、トイレ
、工作室
900×450 亀山
名古屋(現在)
有り(10両以上)
研修庫3以上
無し 給炭搭
ガントリー
有り 給水塔(スポート)、区事務所、大型アッシュピット、休憩所
風呂、倉庫、トイレ
、工作室
900×600〜900 梅小路
有り(5両以上)
研修庫3以上
有り(2両以上、
研修庫をこちらでも可
給炭搭
ガントリー
有り 給水塔(スポート)、区事務所、大型アッシュピット、休憩所
風呂、倉庫、トイレ
、工作室
1200×600〜900 奈良(客車電車用に矩形庫あり)
米子、鹿児島、福知山、大分
巨大機関区 有り(10両以上)
研修庫3以上
扇形庫2棟若しくは片方屋外
無し 給炭搭
ガントリー
有り 転車台2機、給水塔(スポート)、大型アッシュピット、区事務所
休憩所、風呂
、倉庫、トイレ、工作室
1800×600〜900 小郡(扇形庫1棟、東転車台は屋外
小型の矩形庫あり
名古屋(旧 扇形庫2棟
直方
有り(10両以上)
研修庫3以上
有り(6両以上、
研修庫数両
給炭搭
ガントリー
有り 転車台2機、給水塔(スポート)、大型アッシュピット、区事務所
休憩所、風呂
、倉庫、トイレ、工作室
1800×600〜900 稲沢

転車台の分類

転車台は、古い順に上路式バランスド型、下路式、上路3点型となり、梅小路などのものは比較的近代的な構造です。
C62などが入線する場合、下路式や3点型の方が時代的にマッチします。ただし、上路式20m級でも国産機は全て乗りますからどの形式でも問題ありません。
ちなみに一番大きい転車台は岡山の24m級だそうで、下路式のようです。桁の振り替えも行われていましたので好みで選んでも問題ありません。
転車台形態と扇形庫の関係では、扇形庫が設置されている転車台では比較的下路式が多い。
種類 実物直径 対応区規模 製造年代 該当製品 該当実物
上路式 バランスド型 18m(18.7含 中規模以下、C553次型以外不可C51可C57可
(巨大区の2個目転車台としても可、小郡など)
明治〜大正
昭和一桁代
なし 伊勢 柘植
20m 中規模以上、C62ギリギリで可 明治〜大正
昭和一桁代
PECO
(ワールド工芸上路)
奈良
22m 大型区以上 明治〜大正
昭和一桁代
3点支持型 20m バランスド型架替として近代向け 昭和戦後 なし
22m 近代的大型区 昭和戦後 KATO
(フライッシュマン)
梅小路
24m 大型、巨大機関区 昭和戦後
下路式 バランスド型 18m バランスド型架替として近代向け 昭和 なし 鳥羽 
20m 近代的大型区 昭和 トミックス
(ワールド工芸下路)
吉松 新見
22m 大型、巨大機関区 昭和
18〜20m ※補強部材付き、各径で一部改造あり 昭和 なし 米原 亀山 


機関庫の分類

機関庫の表現の中で「近代的なコンクリート作り」という表現が時折見られますが、期間庫の歴史から言えばコンクリート製は概ね大正時代前後に建設された
大変古いものであることが分かっています。木造庫の方が比較的新しいのです。
単純な判断で行けば古い順はレンガ庫→コンクリ(モルタル)庫→木造→鉄骨 となると思われます。
庫形態 材質 入線数 合計入庫台数 築年数 該当実物
扇形庫 木造庫 3〜20線 3〜20機 昭和初期 津和野、遠江二俣
鉄骨庫 3〜20線 3〜20機 昭和中期 糸崎、福知山
レンガ庫 3〜20線 3〜20機 明治〜昭和初期
コンクリ庫 3〜30線 3〜30機 大正前後 梅小路、奈良
矩形庫 木造庫 1〜3線 1〜9機 明治〜昭和初期 伊勢、高山
鉄骨庫 2〜6線 2〜18機 昭和中期
レンガ庫 1〜3線 1〜9機 明治〜昭和
コンクリ庫 2〜6線 2〜18機 大正〜昭和
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